かなしみと野生 -棟方志功と杉並

杉並区郷土博物館で開催されている展覧会”棟方志功と杉並 -荻窪の家と本の仕事”。
棟方志功は文学(ことばの世界)と縁の深い方で、ことに谷崎潤一郎作品の装丁・挿絵を数多く手がけました。

ずらりと並んだ実際の本を博物館を見ると、、谷崎潤一郎ってつまりこういう世界なんだ、、目からうろこでした。
いやあ、ワイルド、、、元気だからこそ退廃的。

鍵の大首とよばれた挿絵

鍵という小説は発表の三年後に市川崑監督で映画化されています。
主演の京マチ子が鍵の大首の奥様役。
この版画そっくりで野生的かつ肉食系の女性を怪演しています。

一方、初期の装丁作品は写実的、デッサン力のたしかさを実感しました。

会場では制作映像も流れていました。
ぶつぶつ語りながら、木遣り歌を歌いながら、楽しげに作ってる、、と思ったら、、あれ?この、メロディはヴェートーベン??一瞬ぽかーんとなって笑ってしまった。
棟方志功編曲、鼻歌”第九”。

とにかくユニークな方です。
昭和はこういう素朴な人がどこにでもいました。
誰にでも子供にも気取らず話す元気な人。いろんな事を知ってる面白いひと。
棟方志功の語り口を聞いているとなつかしい気持ちになりました。

杉並区郷土歴史館 12月5日まで開催
東京新聞 棟方志功と杉並展

棟方志功のことば(NHKインタビュー動画より抜粋)

かなしみということを一番うら(こころ)にもっていて
おどろくこと、よろこぶこと。
かなしみは一番、人間の美の感情、感動の一番たいせつなこと。
なくという字は泣く(涙)ではなく哭く。
あれが本当のかなしみです。
(相手が)ついてくるのじゃなく、(自分が)行かなくちゃわからない。
こっちから行くところにそういうもの(感情・感動)が湧いたり聞いたりする。
それが本当のものを知る道。
むこうに出させちゃだめなんだこっちから出さなくちゃだめですよ。

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