わたしは星だ

SNSでブックカバーチャレンジという遊びが流行っています。
自粛期間に読書をする機会が増えたので、それぞれがお勧めの本のカバーを紹介するというものです。私はその中の一冊にヘッセのクヌルプを選びました。
個人的にはヘッセ作品のなかで一番好きです。
ヘッセ作品は、荒野のおおかみやデミアン、など印象的で面白い物語はたくさんあるのですが、クヌルプは素直に書いている気がします。

初めて読んだときまだ中学生だったので「芸術って難しいし、よく分からないけど、クヌルプのような存在なんだな。」と思いました。と同時にヘッセの答えに安堵しました。
私にとって芸術の入り口がヘッセで、しかもクヌルプで最上の答えを知ったことはとても幸運でした。
また音楽や絵画など芸術全般を理解する事が大切だ、とヘッセの本を通して学びました。
今思うと人生の道をしめし、また豊かにしてくれた師のような作家です。
クヌルプ、メルヒェン、ヘッセ詩集は中学生のときに買った文庫をそのまま手元に置いています。写真はそのなかの一冊です。

ヘッセ詩集から詩をひとつご紹介します。とても暗示的な詩です。

わたしは星だ    ヘルマン・ヘッセ

私は大ぞらの星だ。
世界を見つめ、世界をあなどり、
自分の熱火に焼け失せる。

私は、夜ごとに荒れる海だ。
古い罪に新しい罪を積み重ねて、
きびしいいけにえをささげる嘆きの海だ。

私はあなた方の世界から追われ、
誇りに育てられ、誇りにあざむかれた。
私は、国のない王さまだ。

私は無言の情熱だ。
家ではかまどがなく、戦争では剣を持たない。
自分の力のために病んでいる。

高橋健二訳 ヘッセ詩集「処女詩集(1902年)」とその前後より

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