青い秋祭り ー2020年秋の大祭

雨の休日。
一ヶ月前まで住んでいた町の秋祭りの日。
今年も昇殿参拝の案内状を貰っていたので雨にもめげず行くことにしました。

町を離れる数日前のこと、お宮にお礼参りにいきました。
暗くなった参道をとぼとぼ歩いていると、じわっと涙がでてきました。
若い頃から今まで折々お世話になった。複雑な感情がおしよせてきます。
別れを惜しんでたちどまっとき、周囲の木立や草むらがザワザワとしてドサッ、がさがさと、そこら中で音がしました。
辺りを見回し暗闇に目がなれてくると、足下にヒキガエルが座っているのに気がつきました。
よく見るとおどろくほど沢山いて、参道脇の草むらや土の上ではい回ったり、きょとんとしていたり、軽く跳んでいたり。こんなにカエルが神社の森に住んでいたなんて、、、。
長年通っていたのに、カエルを境内で見るのは初めてです。
しゃがんで見ると皆かわいらしく、大きいのに小さいのが乗っかったりして微笑ましい。
カエルに”密”は関係ないのでやりたい放題、重なりあっています。
コロナの影響で親しい人たちに挨拶もできなかったのですが、大勢の密カエルに見送られ、長年住んだ町を離れたのでした。

外にでたら雨はひどく降っていてスカートはずぶ濡れになりました。
駅まで半分ほど歩いて、引き返そうかなと思ったのですが折角でて来たし、とにかく行ってみました。
神社の駅にたどり着いたときは、雨は上がってスカートも乾き、なんだか晴れやかな気分。
なつかしい空気感。東京は町によって空気がちがうのです。

神社の入口は毎年恒例の提灯がズラリと並んでいました。
鳥居は青くライトアップされ、出店は一軒もでていません。
コロナウィルスの影響で今年の秋祭りは自粛状態でひっそりとしていました。
青い色は医療従事者への感謝を表したのだそうです。
驚くほど人出は少なくしんみりしていました。

昔、新潟の小さな町に仕事で行った際に出会ったお祭りと似ていました。
境内を黄色い裸電球で照らし幟をたて、近所の人たちが並んで宮司さんにお祓いを次々にしていただいていた。飾りは紙で作った手作りの花。
質素で出店も少なかったか、なかったように思います。
薄明るい境内を走り回っていた子供の姿が華を添えていました。

こういう静かなお祭りも良いと思います。
聖なる色と沈黙に包まれる。
カエルたちは暗闇の中でまどろんでいたことでしょう。

☆今日もお読み頂きありがとうございます。
Please Click for the blog ranking sites. Thank you!
↓ランキングに応援クリック↓よろしくお願いいたします。
  にほんブログ村 写真ブログ 写真家へ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする