門司港の帰り水

高校生の頃、門司港駅の洗面所が好きで駅を訪れた際には必ず寄りました。

手前の水栓は門司港の帰り水。
戦後、門司港に帰ってきた引き揚げの方々がこの水を飲んで安堵したため、帰り水と呼ばれています。
真鍮でできた水栓を八角形の洗い場がかこんでいます。
八角形なので、ある程度ひとりひとりの空間が確保され、並んで利用する時に割り込みにくいのですね。
よく出来ています。
今も飲料水、顔や手足を清める水として利用されています。

帰り水の裏の手洗い場。

手洗台は低く作られています。
足を洗えるように配慮されているのでしょう。
当時は蒸気機関車でしたので煤の汚れを落しやすくしたとのこと。
幼児なら台に乗せて体を洗えますね。
台の縁は白く柔らかい大理石でできています。
黒い斑がすくなくもったりとした色調。
山口県の大理石かもしれません。

帰り水といい大理石を使った洗い場といい、ぜいたくな造りです。
旅に疲れた昔の人をずいぶん癒したと思います。

門司港駅 建築データ
竣工:大正三年(1914)一月(二月から営業)
ネオルネッサンス風木造建築
設計:鉄道院九州鉄道管理局工務課
1998年 国指定重要文化財
2012年から2019年まで竣工時の復原、耐震補強工事。
2019年3月グランドオープン。

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