天使の喇叭

雨に打たれる女ひとり。

傘を差し掛けるなという者。
悪いやつとののしる者。
にやにや笑ってながめる者。
雨よりも冷たい者たちにはもう慣れた。

女はひとしれず悪魔の音楽を集めていた。
いつかどこかで演奏される曲。
誰も想像できないアレンジで響かせたい。
奏でるのは怪物か人か天使か妖精か。

雲が去り、少し青空がみえてきた。
空からとことこ天使が降りてきた。
そうだ天使のラッパだ。
真っ暗な曲を金の音色で奏でるのだ。

「この曲を演奏して欲しいの。こんな風に。」
「あなたのためにラッパを吹きましょう。誰にも想像できない場所で。」

天使の音色は冷え切った大地をあたため
雨に打たれた多くの者を救うだろう。

太陽の光が少し差してきた。

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