川の思い出-福岡の空から3

地を這う黄金色の大蛇が海へとすすむ。
蛇は豊穣を運ぶ。

下町で育った私は川や海にあこがれていました。
だけど、きれいな水がさらさら流れる町に引越したら
ぼうふらの湧いていた溝のある町がなつかしくなり
寂しくて寂しくて病気になりました。
どんどんひどくなって歩くのもままならなくなり
病院につれていかれました。
別れた友達や先生に会いたいと思っていたら
ある日、病院の待合室の外がにわかに騒がしくなり
外に出てみると別れた学校の子供達がたまたま遠足で
病院の前を列をなして歩いていました。
母が声をかけてくれて皆に挨拶をしました。
二人でいつまでも子供達を見送り、帰りに桜草とプリンを買いました。
母も私と同様、昔の町に戻りたかったと後で知りました。

今おもうと汚いと思っていた下町の川は、そんなに汚れていませんでした。
人が捨てたごみに混じって春はおたまじゃくしが泳ぎ、夏は糸とんぼが
川のまわりを飛んでいました。
引越し先のさらさら流れていた綺麗な川には、何も住んでいませんでした。

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