目黒のホテル雅叙園東京では創業90年を記念して特別企画「百段階段展」が開催中です。
夏にレポートした「和のあかり展」のようなイベントで有名な百段階段。
今回はその本体そのもの、百段階段にスポットをあてています。
取材に行ってきましたので写真でご紹介します。
まずは豪華なエレベーターで百段階段へ・・・鉄に螺鈿のエキゾチックな空間。
「十畝(じっぽ)の間」です。
雅叙園についてざっと説明します。目黒雅叙園(現ホテル雅叙園東京)は1928年に開業した日本初の総合結婚式場です。
雅叙園創始者の細川力蔵のアイデアで昭和初期10年以上にわたって、本館をはじめ各施設に豪華絢爛な施設が作られ昭和の竜宮城と呼ばれました。
特筆すべきは時代を代表する建築家、芸術家、工芸家、職人が腕をふるって壮大な芸術空間を作り上げたことです。
廊下、天井、お手洗いにいたるまで、びっしりと芸術に埋め尽くされた目黒雅叙園は人々を夢の世界に誘いました。
残念なことに施設の大半は時代とともに失われましたが、百段階段には当時のおもかげが残っています。
天井画の一部。
目黒雅叙園は「すべての人をお大尽の気分に」が創業当時のコンセプトでした。
アミューズメント施設のない時代にキャッチフレーズがあり、かつ日本美術で過剰にわかりやすく装飾する、というスタイルを確立していることに驚きます。
悪趣味といっていいくらいの過剰さですが、こうした感性は歌舞伎のけれん味に通じています。
戦前の日本人が見ていたお祭り騒ぎの面白味、贅沢さが百段階段には残されています。
竜宮城の面影を追って、ノスタルジックな美を味わっていただける展覧会です。
遅くまで開催していますので、おつとめ帰りに行けるのも嬉しい。
今年の年末は百段階段の美で「ほっ、、」と癒されて下さい。
ホテル雅叙園東京 創業90周年特別企画「百段階段展」
ブログでは数日にわたって一部のみ写真で紹介していきますね。