虎ノ門5丁目。
消えてゆく町をしのび永井荷風の偏奇館吟草に以前撮った写真を組み合わせて載せています。
この坂道もいまは両側白い壁に囲まれました。
永井荷風 偏奇館吟草より
小春
小春の空の晴れつづき。
返りさく山吹に蝶も舞ふなり。
いつはりの初夏。
去りゆく秋の名残り。
やるせなき思出の痕。
さめたる夢の消え行くかげ。
皆一瞬のまぼろしとは知れど
虚無のさびしさには優るべし。
されば堪え難き悔と未練の苦しさも
われには嬉しわれにはいとし。
かへらぬよろこびの名残とおもへば。
昭和の専門店の看板が残ってました。こういう文字看板、今はみかけなくなりました。
坂の途中のくぼ地のアパート。
荷風先生の偏奇館吟草は悲しく泣いてばかりな詩が多いのですが
よく読んでいると、、、
”皆一瞬のまぼろしとは知れど
虚無のさびしさには優るべし。”
まぼろしでもいい、という微妙にポジティブな感性が読み取れます。
”堪え難き悔と未練の苦しさも
われには嬉しわれにはいとし。”のくだりなど
人生一周まわりました、という感じ。
いや2、3周かなあ。
女性経験がゆたかだとこうなるのか・・・・。
それもこれも、かえらぬ喜びのなごりっていう事ですが
かえらぬ喜びが先生の場合、多すぎやしませんか?
と聞いてみたいかも。
☆今日もお読み頂きありがとうございます。
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