愛宕山は標高25.7メートル、天然の山です。
昔の人が土を盛って作ったのじゃないんですね。
突然ポコッとここだけお山ってどういうことなのでしょう、、
不思議でならん。
江戸の昔、ここは品川沖まで江戸の町を一望できる観光地でありました。
今は品川沖どころかビルしか見えません。
ワガママ女子の家光公がみたら、ビルを切って捨てよとか言い出しそう。
でもお気に入りの梅の花は愛宕神社の境内にあり、今の時代も咲いてます。
愛宕山は今でも人気のスポットですが江戸時代はもっともっと大人気。
頂上には茶屋がたくさんならんで、夜までお月見に人が集っていました。
当時は海からの風も感じられたでしょうし、月をみながらお酒をいただいたり、お話もはずんだことでしょうね。
愛宕神社のしろねこ。「わたしは静かなほうがいいにゃ、賽銭入れたらはよ帰れ」
まがきちゃんが馬で登り降りしてから255年後。
1889年、明治時代の愛宕山には西洋風煉瓦造りの愛宕塔・愛宕館がたてられました。愛宕館はレストランや貸し席の営業で、そののち旅館も開業したとのことですから、今で言うホテルの宴会場やコンベンションルームみたいなものだったのでしょう。
愛宕館には政財界人や歌舞伎役者が集い、話題になりました。
残念なことに関東大震災で塔も館も壊れてしまいました。
それから36年後、1925年には愛宕山に日本初の放送局(NHKの前身)ができました。モダンな建物だったようで放送局も観光名所となり、当時の画家による風景画がたくさん残っています。
今はその場所はNHKの放送博物館となっています。
こうしてみると愛宕山は時代を超えて何かを発信し続けていた場所なんですよね。周囲より高い場所だったのが大きな理由なのでしょう。
今はのっぽのタワービルがどんどん愛宕山近辺に建っています。
しかしいくら高くて立派なタワーでも愛宕山にはかないません。
高さっていうのは見た目や数値だけじゃない。
愛宕山の高さは本物。生きて呼吸する高さ。
人間には作れない高さだな、って愛宕山の天狗”太郎坊”が笑ってます。